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犯人の告白



「これらの物的証拠からも明らかです。犯人は、あなたですね?」

「…そう。たしかに、彼を殺したのはわたしです」

「でも…なぜあなたがあんなことを…」

「…」

「…」

「刑事さん、あなたに分かるかしら。この国で、フランス人として生きていくことがどれほど大変なことか」

「え?」

「わたしは小さな頃からいじめを受けてきました。青い目をしているから、白い肌をしているから、そして髪の毛が綺麗なクリーム色をしているからといって」

「…」

「わたしはずっと耐えて耐えて、そうやって生きてきたんです」

「…ええ」

「そしていじめは大人になってからも止むことはありませんでした。いいえ、むしろ激しくなった」

「…はい」

「わたしがちょっと美しい顔立ちだからって、いつも妬まれて…」

「…」

「わたしはずっと、ジャポネが憎くて、憎くて仕方がありませんでした」

「…ええ」

「そしてあの日、あの男が…わたしはまたしてもフランス人であることを侮辱されて…許せなかった」

「分かりました…。詳しくは署で伺いましょう」

「…はい」

「14時30分」

「…」

「山田大吾郎、殺人の容疑で逮捕する」


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