かくれんぼ
「もーいーかい」
「まーだだよ」
「もーいーかい」
「まーだだよ」
「えーいつまでじゅんびすんの?もう」
「もーちょっとー」
「もーいーかい」
「…」
「あれ?もーいーかい」
「…」
「ん?へんじがないぞ。もういいのかな?さがすよ?」
「…」
あれから20年もの年月が過ぎたが、今でもかくれんぼは続いている。
いや、正確には始まってさえいないのかもしれない。
もーいーかい。
尋ねると今でも返事が返ってきそうな気がする。
どこかに隠れてしまって、あの日からずっと見つからないでいる、あの娘の声が。
「もーいーよ」
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