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大予言/未来の姿



ああ、見える。未来の姿が見える。
ヴィジョンが下ってきた…。

これは、世界が滅ぶ日のものか。

おお、ヨハネの預言したとおりだ。
空の星の三分の一が落ち、地上の三分の一を焼き尽くしている。
こうして世界は滅ぶのか。
こうして地球は滅ぶのか。

よし、すぐに書き記しておこう。

「恐怖の大王がアンゴルモアの…」

ん?いや、違う。

驚いた。
それを見て笑っている男が見える。
なんと残酷な男なのだ。

これは恐らく悪魔だ。
そうか、地上は地獄と化したのだな。

地獄だ!地獄だ!

――――――

四畳半のボロアパートの一室で、男が退屈そうにビデオを見ている。

男は大きく放屁をして、へらへらと笑った。
「しょうもないビデオ借りちまったなあ」

男の狭い部屋の中は、隅に置かれた小さなテレビの明かりで明滅している。
画面の中では、先刻男が借りたコンバットものの映画が映っている。

「まったく、爆破すりゃあいいってもんじゃねえだろうが」
男は大きな欠伸をしながら、繰り返されるワンパターンな爆破のシーンをうすぼんやりと眺めていた。

その時、男はふと断末魔の叫びのようなものを聞いた気がした。
それは地獄の恐怖を叫ぶ声のように聞こえた。

「地獄だ!地獄だ!」

しかし、男はすぐに気のせいだと思い直した。
というのも、どこにでもあるようなボロアパートの狭い部屋と、小さな画面に映るB級コンバット映画、彼を取り巻く状況に「地獄」という仰々しい言葉と結びつくようなものは一切なかったからだ。
男は自分の空耳の突拍子のなさを笑い、もう一度大きく放屁した。


予言者たちのイマジネーションを超越した未来の姿が、今ここにある。


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