ラブコール
また君の声が聞きたくなって、僕は受話器を握る。
だけどこのごろ電話しすぎだろうかと不安になって、少し躊躇する。
このごろの僕はいつもこんなだ。
初めて君の声を聞いたとき、僕は一瞬で恋に落ちた。
一目ぼれなら聞いたことがあるけど、「一耳ぼれ」なんて聞いたことがないよね。
そんなことを思うと、なんだかちょっと可笑しかったりするんだ。
やっぱり君の声が聞きたいから、僕は受話器を取って君の番号を押す。
するといつものように君の声が受話器の向こうから聞こえてくる。
いつもとおんなじ君の声。
お決まりの台詞…。
「午前、三時二十一分三十秒デス」
次の話を読む