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別れ



「もう僕たちお別れしよう」

その言葉に少女は言葉を失った。何の前触れもなかった。突然の別れである。

「僕たちはこれから別々の道を歩むことになる・・・」

続ける彼の言葉に我を取り戻し、少女は言った。

「なんで!この前は結婚しようって言ってくれたじゃない!」

彼はしばらく沈黙したが、口を開いた。

「何度も言ってるじゃないか。僕たちはもうすぐ離れ離れになる。」

「離れ離れに暮らしていても、きっと私たちなら大丈夫だわ!」

「いいや。いくら僕たちが愛し合っていても、こればっかりはどうしようもないんだ。」

「でもそんな・・・」

「きっと僕たち、このままでは深く傷つけ合ってしまうよ。」

「・・・・・」

「・・・・」

「うそだわ!どうせあの子のことが好きになったんでしょう?」

「それはちが・・・!」

彼が少女の言葉を否定しようとしたまさにとき、全てをさえぎる『あの』声が響いた。



「はーい!!みなさーん!お遊戯おしまーい!お昼寝の時間ですよー!」



保育士に促され、卒園を控えた二人は別々に教室へと入っていった。



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