電車の少女
少女は私の真向かいに座っていた。
今時珍しくよくしつけられているようで、ごねることも騒ぐこともなく、おとなしく座っている。
顔も非常に可愛らしく、将来は有望だ。
電車が住宅の多い駅に停まると、少女は改札まで迎えにきた両親の姿を見つけ、嬉しそうに降車した。
その際軽く目が合ったので、私は微笑み手を振った。
しかし彼女はそっぽを向き改札の方へかけて行った。
私は少しがっかりしたが、まあ仕方が無い。
よっぽど霊感が強くない限り、気づいてもらえはしないさ。
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