ちと反珍道中(旅行記)−どこからか飛んできてメニューが表示されていない人はここをクリック

プロローグ



事の起こり


徐々に気温も上がり、もうじき夏が顔を覗かせようとしていた。
そんなある晩、一人の男にこのようなメールが届いた。


「なあ。歩いて大宰府天満宮に行かないか?」


気温の上昇に伴い、いかれたヤツが増えるのは世の定説である。困ったものだ。

ここ北九州市小倉南区から大宰府天満宮まで、何kmあるのか定かではないが、自動車で行ってもゆうに4時間はかかる。ようはかなりの遠方なのである。
このような場合「はよ寝ろ。馬鹿が」という返信が要求される。気温の上昇によっていかれてしまった人物には冷めた姿勢でその心を冷やしてやる必要がある。
しかし不幸なことにこのメールを受信した男は、昨冬、徒歩で熊本県は黒川温泉まで行ってしまった経験をもつ、いわゆる天然物のいかれ野郎だったのだ。

あろうことか、彼は差出人に


「OK。いつにしようか」


と返信してしまったのだ。



こうしてこの物語は産声を上げることとなった。
気温の上昇に伴い、いかれたヤツが増えるのは世の定説である・・・




@男達との再会