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四月馬鹿



卯月である。

つい先日まで寒さに凍えながら、ああ人肌恋しといったことを呟いておったのに、気が付きゃもう暖かな季節となっているのである。たまらん。

春といえば、出会いの春、といったポジティブなイメージが一般的であるが、しかし、私はこの季節がどうもだめだ。

というのも、これまで冬眠しておったのか、春になった途端やたらと人が多くなるし、ほら、お外で「馬鹿でーす」といった身なりの青少年がバイクの音を轟かせながら曲芸のようなことを始めるのもこの時期。これは一重に暖かくなったからである。たまらん。

さらに、春の先のことを思うと、あっちゅう間に春が去ったと思えば、カビ生い茂る梅雨、半裸の女が横行する夏、といった恨めしき季節が到来するわけで、なんともウンザリだ。たまらん。

何より、春着を持っていないのが致命的だ。私は一体何を着て日々を過ごせば良いのか。たまらん。

と世間がルンルンの中、実にディストレスなわけ。



このように、春を控え落胆しておる人々のためにエイプリルフールとは存在する。



ということで率先して嘘を振りまいていこうということだったのだが、しかし、咄嗟に嘘をつこうとしても、常々正直にあれ、嘘つきは非行の始まり、と自分を戒めておるため、なかなかに困難である。

さらりと思いつくといえばこれ定番の「志村けん死亡説」くらいのもの。

今更何もこのような使い古された嘘が通用するとは思えんが、しかしタイミングは逃してはならぬとて、来客時にこれを試したところ以下のとおり。



客「お邪魔します」

私「おう、ところでニュース見た?」

客「いや、見てない・・・」

私「そうか・・・」

ここで一呼吸おいてみる。

私「・・・志村けん・・・死んだぞ(ボソッと呟くように)」

ここで一時沈黙が流れる、のち

客「マジで?」

とくるが、この場合嘘を信じたと判断するにはまだ早く、単に相槌である恐れがあるので、まだ演技を続ける必要がある。

私「うん・・・(と寂しげに微笑む)」

客「マジで・・・でもさっきテレビに出てたよ」

私「収録だったからねえ。最後の勇姿だったのかなあ・・・」

客「そうか・・・」

とここまでくるとどうやら信用しつつある気色がある。終いには

客「いや・・・なんというか寂しい・・・うん寂しい思いがするねそれ、偉大な人を・・・」

云々といった類のことをボソボソと呟き始め、かの「志村けん死亡説」もつき方によっては未だに通用するということが証明されたわけなのだった。



ここまで上手くいくと実に気分がいい。はっはっは。

エイプリルフール万歳といったところだ。



と、以上長い前振りを経て、今回はエイプリルフールの起源について紹介しよう。



エイプリルフールの起源に関して、ポルコフ=エイミールの「世界の祭」、チッチョニッシーナ=マルクの「私の生まれた日」などを参考にしたのだが、どうやらその起源は19世紀後半のヨーロッパにあるようだ。

その時代背景を察するに、どうやら産業革命の後の帝国主義時代であることがわかる。

事の発端は、時のドイツ皇帝ヴィルヘルムにあるという。

1878年、春、ヴィルヘルム帝は何の脈絡もなく英国へ宣戦布告をした。

当時というのはヨーロッパ列強国が凌ぎを削り世界各地に植民地を作ろうとしていた時期であり、まあその関係であると思えば納得がいくが、しかしどうもそれがあまりに唐突な宣戦布告だったため、ヨーロッパ各国はおおいに揺れた。

すなわち、両国強大な力を持っているのは明白であり、当国はどちらの派閥に付くかということで、今後のヨーロッパでの地位が決まるのは明白だったためである。

そんなところで大いに動揺を招いたヴィルヘルムであるが、一晩明けた次の日に、なんと「あれは全部嘘です」といった趣の通達をイギリスに出したのである。

これに怒ったのはイギリス政府。「昨日のあれはなんだったんだい?」と問う。それにヴィルヘルムはこのようなレスポンス。

「産業革命以後、各国休むことなく常に外へ外へと視野を広げようとしている。しかし我々はそうすることで逆に盲目的になっているのではあるまいか。人間は余暇を忘るれば物事を単一的にしか物事を考えなくなるものだ。この視野の閉鎖化はヨーロッパ、しいては世界の崩壊をも招きかねない。」

というようなこと。そしてこう結論を下す。

「そのために私はかの嘘を通して、この四月の日に(April)すき間(Hole)を作ろうと思ったのである。」



これに痛く感銘を受けたヨーロッパ各国。それはよいとて、四月一日を精神的休息の日と定め、形式的に嘘を意図的に使っても良い日となったのであった。

しかし、ヴィルヘルム候、当然ながらドイツ訛りだったもので、「April Hole」と言ったはずが英語圏各国には「April fool」と曲解され、現在のように「エイプリルフール」と呼ばれるようになったそうな。



つまり、以上からわかるように、エイプリルフールとは単に、「嘘をついても良い日」というだけではなく、精神的な休息の日でもあったのである。





というのは全て一切嘘であるので、くれぐれも信じぬようにね。ははは。